巽啓司のページ
システム工学,数理・知能情報学,ソフトコンピューティング,計算科学等の境界領域を対象とし, 大規模で複雑なシステムの計画・運用に必要な「システム最適化、意思決定支援」に関する基礎理論とその応用としての 「物事の合理的な決定」について研究しています
システム工学,数理・知能情報学,ソフトコンピューティング,計算科学等の境界領域を対象とし, 大規模で複雑なシステムの計画・運用に必要な「システム最適化、意思決定支援」に関する基礎理論とその応用としての 「物事の合理的な決定」について研究しています
集合知とカオス力学系,数理計画法の多点探索法への拡張を用いた大域的最適化問題の解法の研究や, 機械学習法・最適化手法の現実問題への適用などを行っています.
通信・情報・制御,金融,経済,生物,情報学など幅広い領域で必要とされる意思決定・最適化問題の求解法は,SDGsの達成のための基盤技術 としてもそのニーズは増している.本研究では,特に,求解の困難な,多数の局所的最適解(真の解ではなく,その周辺では最適な解)を多数含む, 決定変数(ユーザが決定したい内容)が連続変数として与えられる大域的最適化問題を対象とした,近似的な求解法に焦点をあてる.
最適化手法には,厳密な求解や,解への大域的収束性(必ず何らかの最適解が求まる性質)など理論的な保証のある求解を,主に単点探索で目指 す数値計画法と,現実的な時間内に様々な簡易な方法で多点探索点を更新し近似解(必ずしも最適ではないがユーザが許容可能な解)を求めること を目指すメタヒューリスティック解法に大別できる.これら2つの手法は,根本的な求解戦略が異なるため,その融合的な手法の研究はあまり行われ ていない.本テーマでは,多数の探索点を使用しつつ,多点探索点での情報を有効に利用して数理計画的探索を効率化・高速化することを目的とした,融合的 な求解法の開発を行う.特に,数理計画法において,最小化すべき目的関数の近似2次導関数情報を利用することで,求解を早める単点準ニュートン法 に着目し,探索点の情報共有により2次導関数情報の近似精度を高め,局所解への収束性を高速化する方法を開発する.
近年,建設業界では,労働力不足解消のため,人工知能技術の導入による自動化・知能化が進められている.本研究では,ある1つの種類の大型 インフラ構造物を構築する際,熟練者による判断が必要となる補強度決定の問題に着目し,この決定を自動的に行う機械学習手法の開発を行う.
対象とする構造物の建設時補強度合は,各建設区間を観測し得られた危険度チェック項目(観測データ)やその区間の自然状況に基づいて決定する. その入出力間には単調性の性質があり,また,一部不整合とも解釈できる入出力関係性も含まれている.この建設は公共工事であるため補強度決定 方法には説明可能性が高い必要があり,単調性を反映しつつ不整合を解消することが望ましい.本研究では,この問題を,現在とそれ以前に建設さ れた建設区間での観測データ・自然状況を用いて補強度合を決定する時系列認識問題として定式化,オープンデータを用いた構造物建設地域の地層 状況追加による情報の精密化の提案を行う.また,適用する機械学習法として,出力の関係性が容易に解釈可能な多クラス線形サポートベクトル マシン(SVM)の多クラスモデルの提案と適用,さらに区分的線形SVMへの拡張,時系列処理により適したフィードバック機構を持つ リカレントニューラルネットワークの適用といった開発を行う.